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野村
研究プロローグ
OSIPPニューズレター 1999年春号 No.10より
野村 美明教授(国際私法、国際取引法)
高校時代はずっと理系で、物理の先生になろうと思っていたそうだが、1970年前後の学園紛争、三島割腹事件、沖縄返還問題などによる政治的混迷、さらに公害問題のひどさに衝撃を受け「こりゃ物理の先生なんかやってる場合ちゃうで」と、政治に関心を持つようになった。
政治を変えるならまず法と政治の勉強をと、71年、阪大法学部に入学。弁護士として政治的な支援をしようと司法試験を目指した。阪大大学院法学研究科では法理学(法哲学)を専攻したが、博士課程の時、当時の指導教官だった矢崎光圀教授からの誘いが転機となった。「国際取引法という新しい分野をやってみないか」──。 昔から兄貴分的存在だった松岡博教授の励ましもあり、「やってみると創造性が生かせて面白く」そのまま専心、以後国際私法の分野も合わせ、研究者として進路が定まっていった。
ただ社会変革を思考する立場は昔から変わらない。OSIPPでは「法の理論だけでなく、それを現実に適用して社会に生かす必要」からネゴシエーションの授業を自らの発案で始めた。ハーバードロースクールでの実体験を元にした実践的な授業は、OSIPPの理念とも合致して評判が高い。同様に「リーダーシップを考える」という授業も、そういった社会問題の解決にはリーダーシップのある人材が必要と言うことから始めたもの。
豊中生まれの豊中育ち、今も豊中住まいで、大学も一貫して阪大豊中キャンパスに28年。軸足はずっと豊中だが、対照的にその視野は広範で敏感。OSIPPの特徴である改革思考と斬新性を担って倦むところない。
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